エリスマン邸バレンタインのコーディネートができるまで ~メインダイニング編①~

こんにちは。

食空間コーディネーター 中西まゆみ です。

 

前の記事で、テーブルコーディネートを考える際に大切なことは、『しっかりとしたコンセプトを立てること』、と書きました。

今日からは、今回のエリスマン邸のバレンタイン装飾のコーディネートができるまでをお話いたしますね。

 

今回のコーディネートのお話をいただいて決まっていたのは、テーマが『バレンタイン』ということだけです。

歴史的建造物ということで、多少の制約はあるものの、あとはコーディネートする私が自由に考えることができます。

バレンタインのテーブルというと、ラブリーだったり、ファンシーだったり、ロマンチックだったり。

可愛いピンクや赤を基調としたコーディネートが多く見られます。

テーブルコーディネートに限らず、バレンタイン近くになると、街なかで見られるディスプレイや装飾を見ても、そういったものが多いですよね。

今回私の中で即決で決めていたのは、『大人っぽい雰囲気を出したコーディネートにしたい』ということでした。

男性が主役のバレンタイン。

その男性がテーブルに着いたときに、可愛らしい赤やピンクのコーディネートではリラックスして食事ができないのでは?

男性が気後れせずに座れるテーブルを考えよう、と思ったのです。

とはいえ、バレンタインということもあり、黒を基調としながらも、ハードになりすぎず、エレガントさも残したい。さりげなくお互いの愛情を確認しあう、大人の夫婦が過ごすバレンタインの夜を演出したい 思いました。

黒の中にぼんやりと、そしてはっきりと浮かぶ赤。←「ぼんやり」と「はっきり」矛盾していますが、私の頭に浮かぶイメージはこうだったんです。

黒を基調としながらも黒に頼りすぎず、煌めき感を出そうと考え、大人をイメージさせる”Bijoux”(Bijouの複数形)=宝石の意 をタイトルに入れて、宝石を散りばめたようなコーディネートにしよう!

『”Bijoux” 大人リュクスなバレンタイン』

これで、タイトルとコンセプトが決まりました。

 

そして、そこからそのイメージに合う「モノ探し」が始まりました。

メインのダイニングに使う色は黒×赤、Bijouxの煌めき感の演出にはシルバーとガラスを使用しようと決めたのはいいけれど、使う素材の選定、組み合わせ方と配分、使う色の配分など、少しでも計算が狂うと、途端にバランスが崩れてしまって私の思うコーディネートが完成しなくなる。

各食器メーカーのカタログを片っ端からめくり、イメージに合う食器を探しました。

それと同時にテーブルクロス選び。イメージに合ったテーブルクロスを作る布を探しに、札幌市内のお店を周り、お店に通う日々。

先ほど黒を基調として、と書きましたが、テーブルクロスは「ただの黒」にはしたくありませんでした。

ありふれた黒×赤のコーディネートにはしたくなかったから黒でもない赤でもない布・・・

いくら探してもそんな都合のよい布なんか売っていませんでした。

もしかしたら、東京とかに行って探せば見つけられるのかもしれません。

でも札幌では探せるモノが限られていますし、ネットでは質感や光沢など微妙なニュアンスがわからないのでイヤ。

使う食器とグラスは決まって、企業様より協賛していただけることになったけれど、今回は特に『布』が決まるまでとにかく悩み、とにかく時間がかかりました。

そしていきついた答えが「イメージする布がないんだったら、作ればいい」!!

作ると言っても糸を織るところからではなく、2枚の布を重ねるダブルクロス。

無地の布と柄物の布を重ねたりして部分的にトップクロスを使う手法(上に重ねる布の大きさを小さくして部分的に2枚重ねにすること)はよくありますが、今回はイメージする色を出すためのダブルクロス使い。

布を2枚重ねることで、私の考えた色を作り出してイメージを完成させようと考えたのです。

少しのことで、全く見え方が変わってしまうので、とにかく色々な布の組み合わせを考えましたが、最終的に行きついたのは『ティンクルサテン』という黒味を帯びた赤くて光沢とハリのある布の上に黒の『オーガンジー』をかけるという答え。

そして『オーガンジー』の中でも、『パールオーガンジー』というのを選んで煌めき感を出すことに決めたのですが、最終的にイメージがまとまって布を購入しようとしたら、パールオーガンジーが残り少なかったために、ロットが変わってしまい、質感が全然変わってしまったのです。

試し買いしていたものより質感が荒くなってしまい、少し硬さが出て浮きやすくもなってしまいました。

私にしかわからない違いかもしれませんが、ここまでこだわり抜いてきて、これは本当に本当に残念なことでした。

とは行っても、なんとかイメージ通りの布を入手した喜びも束の間、実はここから、裁断・縫製という魔の作業が待っていて、完全に夜鍋状態、寝不足の毎日に輪をかけることになってしまいました。

オーガンジーの扱いって難しいです。。。

 

黒でも赤でもないクロスの発色、こちらの写真がわかりやすかったので、ご覧ください。

奥の方は黒く見えて、手前は赤く見えますよね。

手前のほうでわかると思いますが、『ティンクルサテン』と『パールオーガンジー』のダブルクロス使いで光沢と煌めき感が出ているかと。

見る角度、光の当たり方で、黒~赤、赤~黒。様々な色の変化を楽しめるクロスの完成です。

大サービス画像。

『パールオーガンジー』をかける前の状態です。

黒いオーガンジーの下には、こんな赤い布がかけられていました。

 

長くなったので、続編は改めて。

 

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