こんにちは。
食空間コーディネーター 中西まゆみ です。
今日はテーブルコーディネートをする際に考えるコンセプトについてお話しますね。
テーブルコーディネートとは。
お気に入りの器を素敵に見せるためだけに、テーブルの上に並べることではありません。
ただ単に、『センス良く見せるにはどうしたらよいのか』と考えるだけではテーブルコーディネートとは言えません。
私達本業のテーブルコーディネーターは、食卓を一緒に囲む人、時には主役となる人のこと想いながら、そのテーブルを囲む季節や行事に合わせて、使う素材や使う色を考えていきます。
その人はどんな食べ物が好きでどんな色が好みなのか、その人がどうしたら喜んでくれるのか思いやりをもって考えることが本当の意味でのテーブルコーディネートなのです。
しかしながら今回のエリスマン邸の装飾は、あくまでも展示であり、実際にそこでテーブルを囲みお食事をいただけるわけではありません。
見てもらうため、見せるための展示なのですが、たとえ展示であっても、しっかりとしたコンセプト、テーマを設定したうえで今回のコーディネートができているのです。
装飾を担当させていただいたエリスマン邸バレンタイン装飾2018。
こちらにコンセプトを綴りたいと思います。
今回の展示の際に出入り口に掲示していただいたコンセプトの全文を、わかりやすいように写真付きでご紹介いたしますね。
”Bijoux” 大人リュクスなバレンタイン
大人が過ごすバレンタインの夜をイメージして、ダンディな夫のために男性が気後れせずに食事を楽しんでもらえるよう、色味を抑えた落ち着きあるテーブルで日頃の感謝を伝えようというものです。
ダイニングのテーブルクロスは遠目では黒っぽく見えますが、近くへ寄ってみると大人レッドへと変化いたします。
無数のパールが煌めくかのようなパールオーガンジーから覗く深紅のクロス。見る角度によって色の変化を楽しめます。
バレンタインのプレゼントはGUCCI。それに合わせて、乾杯にはスワロフスキーのデコレーションを施したGUCCIプロデュースのGIOIAスプマンテ。
ボトルに煌めく無数の”Bijoux”。
食後は応接室へ場所を移して、アフターディナータイム。
ゆるやかに赤く燃える暖炉の前で、夫の趣味であるシガー(葉巻)につきあって、ヨーロッパの大人の男性のたしなみ、『食後の5C』を一緒に愉しみます。
- コニャック Cognac
- チーズ Cheese
- コーヒー Cafe
- ショコラ Chocolat
- シガー Cigar
コニャックを片手にくゆらせる葉巻。
ゆっくりと交わされる会話 Conversasion は6つめの『C』。
テーブルを彩るのは艶やかに煌めくマカロンとカップケーキ。
今日のシガーの銘柄は、キューバ産の葉を使用した『Te Amo』。
ティアモとは、スペイン語で『愛してる』の意。
照れくさい愛の言葉はさりげなく伝える。というコンセプトでコーディネートいたしました。
いかがでしたか。
大人が過ごすバレンタインの夜をイメージしていただけたでしょうか。
テーブルコーディネートとは、「素敵~」「センスいい~」と言ってもらいたくて、自己顕示欲を満たすためにするものではなく、あくまでも「優しさ」を表現することです。
食卓とは、そこに座る人がいて、実際に食事を楽しむための場所ですから、当然ストーリーがあるということです。
あなたの、今後のコーディネートの参考にしてみてくださいね。